パブコメ募集:無線従事者の努力義務規定の追加

どなたも――hamlife.jpもJO1EUJも(南大塚は最初から戦力外)――お書きにならないので,以下にまとめます.時節柄,みなさんQRLかな?

パブコメの募集がかかっています:

『無線従事者規則の一部を改正する省令案に対する意見募集』
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000357.html
https://www.soumu.go.jp/main_content/000691235.pdf

端的には,無線従事者に「スキルアップの努力義務」が課されます.「従事者規則」に,47条2項が新設されます:
(免許証の交付)
第四十七条 総務大臣又は総合通信局長は、免許を与えたときは、別表第十三号様式の免許証を交付する。

2 前項の規定により免許証の交付を受けた者は、無線設備の操作に関する知識及び技術の向上を図るように努めなければならない。

アマチュア無線技士も例外ではありません.念のためですが,「別表第十三号様式」には,プロ・アマ全資格が含まれます↓〔H21省令103〕.20091020-103-3t.jpg20091020-103-4t.jpg

ご意見のある方はご進言下さい(~7/13(月)).とくに種々立候補なさる方,「私はちゃんと意見を出しました」は,次の選挙で優位に作用する*かも*しれませんよ.


『工事担任者』を参照してみよう

有線通信の世界,『工事担任者』については,類似の――いやソックリな――規定がすでに設けられています〔工事担任者規則38条2項,H17省令78にて追加,2005-08-01改正施行〕:
https://dsk.or.jp/dskwiki/index.php?%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E6%8B%85%E4%BB%BB%E8%80%85%E8%A6%8F%E5%89%87%E7%AC%AC38%E6%9D%A1

(資格者証の交付)
第三十八条  総務大臣は、前条の申請があつたときは、別表第十一号に定める様式の資格者証を交付する。

2  前項の規定により資格者証の交付を受けた者は、端末設備等の接続に関する知識及び技術の向上を図るように努めなければならない。

たしかに技術の移り変わりは激しく,「2芯の電話線の上でのアナログ音声」も,いまや「光ケーブルの上でIPパケット」ですしね.



アチラ(工事担任者)では何が起こったかと言いますと...『(一財)日本データ通信協会』が

『工事担任者スキルアップガイドライン』
https://www.dekyo.or.jp/engineer/contents/guideline/

なるものを出し,「継続的な知識・技術の修得を促すことで資格取得者の質を維持する」ための

『情報通信エンジニア』
https://www.dekyo.or.jp/engineer/

なる“認定資格”が設けられました.

整理しますと,資格の2本立て化です:
・生涯有効な,『工事担任者資格者証』(国家資格)
・1年間有効な,『情報通信エンジニア資格』


『情報通信エンジニア』

なにかってーと,
・これも持っていれば,スキルを示せてすげーぞ
・更新回数が多ければ多いほどすげーぞ
・持ってる社員をいっぱい抱えている会社はすげーぞ
――ということです(ブランド化ねらい).

毎年の更新が義務で,その際には「更新研修」の受講が必須です:
・(上位資格)『情報通信エンジニア(ビジネス)』
  5,000円(ただし学生は3,000円)
・(下位資格)『情報通信エンジニア(ホーム)』
  3,000円

...エコシステムですね.



アマチュア無線への適用

従事者規則にこの条文が追加されたとしても,直ちにどうの/こうのということはないでしょう.
いやむしろ,この省令改正を受けて,アマチュア無線界としても何かしらの「スキルアップのアクション」を設けてしかるべき――ともいえるでしょう.

もし「これを持っていればすげーぞ」で“ブランド化”できれば,JARDなりJARLなりの新たな収益源たりうるかもしれません.このような収益源創出のアイディアは前田さんがお得意なのでお任せするとして,たとえば――

『アマチュア無線技士スキルアップガイドライン委員会』なぞが立ち上がり,
『アマチュア無線技士スキルアップガイドライン』なぞが出され,
『アマチュア無線エンジニア』 なぞの資格が設けられる

――かもしれません.
もっとも,すでにある

『モールス電信技能認定』
https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-4_Morse/Morse.htm
会員1,000~3,000円(非会員2,000~6,000円),いずれも22歳未満半額

に,近いとも言えます.

【7/12 以下追記】

『電気通信主任技術者』

有線通信側のもう一つの資格,『電気通信主任技術者規則』にも同様な規定がありました(H21省令74にて追加,2009-06-30改正公布施行):
(資格者証の交付)
第四十条 総務大臣は、前条の申請があつたときは、別表第十三号様式の資格者証を交付する。
2 前項の規定により資格者証の交付を受けた者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する専門的な知識及び能力の向上を図るように努めなければならない。

この記事へのコメント

太田裕久
2020年06月25日 15:42
ハムの資格も「努力義務規定」が適応されるという。この規定の賛否を検討する前に国はしなければならない規定があるでしょう。国が発給する全ての「士 or 師」の免許には今までから問題視されてきました。今に始まったことではありません。
問題がそれますが無線界について5年間の有効期間がありました。有効期間を復活することです。特にプロの世界では需給関係が分かりません。ですから時代の要請だとか進歩したと試験のレベル低下をします。
ハム界についても同じ事が言えましょう。プロもハムも資格者の実体を知ってから検討すべきでは、と思いますが・・・、皆さまはどのようにお思いになりましょうか。