H29.12.1以降の旧規格機での「再」免許は?
ここにきて,旧スプリアス規格機の「再免許」の扱いで解釈の揺らぎが.
2017(H29).12.1以降での旧スプリアス規格機の「再免許」の扱いで,以下の二つの解釈が出てきました:
(1) 再免許だったら可 (筆者理解)
(2) いやいや,再免許すら不可 (CQ誌12月号pp.136-137 取材先:総務省総合通信基盤局)
ここはひとつ,逃げずに整理してみます.
■(1)説の例
●「H19→H29」期限延長検討時――電監審(#918)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/denpa_kanri/pdf/070516_2.pdf
●「H19→H29」期限延長当初――総務省の説明
●いま――総務省電波利用ホームページ〔2015.11.30閲覧〕
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/spurious/keikasochi/index.htm
●いま――総務省の現行版パンフレット(CQ誌も参照):
...「ギリギリまで使っていいよ」と.
そのためには――免許期間は5年間なのですから――,2017(H29)~2022(H34)年において,かならず「再免許」をせざるをえませんよね.
■(2)説の例
●CQ誌12月号pp.136-137
●アルインコ――FAQ
http://www.alinco.co.jp/division/electron/faq.html#F20110815001
●(一社)全国船舶無線工事協会
http://www.zkk.or.jp/news/2012/20120704kyu_spurious.pdf
■戦闘開始
負けたくないんだけど,負けたらSRI.
筆者自身は総務省の資料で
2017(H29).12.1以降に到来した再免許の契機をもってして,
2022(H34).12.1まで待たずに,
その局には旧規格機は使わせなくしますよ
――といった記述を見かけたことは...ありません.
法令解釈・運用の問題だけでしたら,JARLはJAIAじゃないんだし,総務省に,「当然(1)だよねグイグイ」と押すことも必要でしょう.
流れがこれ以上(2)説に傾きかけたら,次回社員総会マターということで.
しかし.
「ギリギリまでの延命」が認められた場合の問題点は,
おそらく,移行期限直前での“処理の集中.”
ふたたび「無免許ハム〝公認〟シマス」なんてことにも,なりかねません.
■法令を地道に読み解く
H17省令119附則――のちのH19省令99での改正(10年間の延長)を織り込みずみ――をかいつまみますと,以下のようになります(関連法令は末尾):
(a) 2005(H17).11.30以前に免許されていた局は,2022(H34).11.30まで旧規格機を使っていいよ.
(b) 旧規格機でも,2017(H29).11.30以前は,
“免許等又は無線設備の工事設計の変更”ができるよ.
条件は(1)と同じだよ.
(これを受けるための無敵の呪文が,れいの,
「当該無線設備は平成19年11月30日までに製造された無線設備である。」――です.)
さて,アマチュア局を含め,無線局の免許期間がデフォルト「5年」なのは,総務省さん,よくご存じでしょう.
ですから,「2005(H17)年時点に2022(H34)年の議論をしている」こと自体,前提として,「再免許で繋ぎ続けるんだったらOK」としている――と解釈できます/解釈しました.
もっとも表現が「...ことができる」ですから,
総務省に「やっぱ やんね」といわれたら...負けます.
●じつは開局日によって分けて議論すべき?――でも結果オーライ
また厳密には,以下の二つを分けて議論した方がよさそうです:
(ア) 2005(H17).11.30以前に免許されていたアマチュア局
(イ) 2005(H17).12.1以降に免許されたアマチュア局
しかし,「(イ)は(ア)を準用する」ですから,結果としては同じになります.
絵解きしますと,こんなかんじ:
ここで,以下のようにご理解下さい:
・黒枠四角 … 免許期間(5年間)
・ピンク … 旧規格機(話を簡単にするために,旧規格機だけで免許されている局を考えます)
また本稿では便宜上,短く,以下のように呼ぶことにします:
・「2017(H29).11.30まで」 の期限を 「P点」
・「2022(H34).11.30まで」 の期限を 「K点」
●P点(2017(H29).11.30)越えでできなくなること
まず逆説的に,「P点以前だったらできること」を振り返ります.
上述のとおり,
「旧規格機でも,P点以前は,“免許等又は無線設備の工事設計の変更”ができるよ」
となっています.
ここで「免許等」とは,
「免許若しくは予備免許又は登録」です〔H17省令119附則3条1項〕.
ただしアマチュア局の場合には「登録」はありませんから,
「免許」か「予備免許」ということになります.
ということで元に戻って,「P点越えで旧規格機でできなくなること」は,以下のとおりとなります:
・免許等 … 免許・予備免許 (「開設」ですね)
・無線設備の工事設計の変更 … 取替,増設,撤去,変更 〔『工事設計書』の様式から〕
ただ,「さすがに『撤去』だったら認められるであろう」との筆者推測を含めて図にまとめます:
ここで,以下のようにご理解下さい:
・黒枠四角 … 免許期間(5年間)
・ピンク … 第一送信機 の 旧規格機
・グリーン … 第二送信機 の 新規格機
繰り返しになりますが,最大の論点はおそらく旧規格機による“免許”で,
P点越えで禁止されるのが,
(1) 「新規」免許だけなのか … 筆者的解釈
(2) 「再」免許も該当するのか … CQ誌12月号pp.136-137的解釈
で,影響に差が出ます.
とくに(2)が正解なら,P点を越えた時点,あと2年後には影響が出始めます(CQ誌の言うとおり).
●「変更」が“落とし穴”っぽい
たとえば,
「デジタルモードで常用の第二送信機(新)が入院しちゃったから,
しかたない,第一送信機(旧)にPCつなご」
と思いたって手続きをしたとても...ときすでに遅し.
2017(H29).12.1以降,“凍結”されてしまっていますので,できません.
自衛策としては,
「旧規格機に対し,想定しうるすべての付加装置・付属装置を繋ぎ込む手続きを,
P点以前にしておく」
となります.
■よだん
●表現に気をつけましょう
こうでしょう:
・「以前」「以降」 → その日を含みます
・「まで」「から」 → その日を含みます
・「より前」「よりあと」 → その日を含みません
今回の議論での例:
× 2017(H29).11.30以降
○ 2017(H29).11.30よりあと
○ 2017(H29).12.1以降
●H34.12.1(最終期限)以降の使用禁止を,どう規定?
これは推測ですが,
たとえば,免許状に,
「第×送信機は平成34年11月30日までの使用に限る。」
のような条件を,申請者なり総通なりが,付記することになるのでしょう.
■以下関連法令
●H17省令119 の 附則――オリジナル=移行期間の延長前
●H19省令99――移行期間の10年間の延長
●H19告示513
2017(H29).12.1以降での旧スプリアス規格機の「再免許」の扱いで,以下の二つの解釈が出てきました:
(1) 再免許だったら可 (筆者理解)
(2) いやいや,再免許すら不可 (CQ誌12月号pp.136-137 取材先:総務省総合通信基盤局)
ここはひとつ,逃げずに整理してみます.

■(1)説の例
●「H19→H29」期限延長検討時――電監審(#918)議事要旨
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/denpa_kanri/pdf/070516_2.pdf
平成19年11月30日以前に製造された無線設備については、引き続き平成29年11月30日まで変更許可及び新免許が受けられるという形に改めたい。...「新」免許については2017(H29).11.30までよ――と言っています.
●「H19→H29」期限延長当初――総務省の説明

●いま――総務省電波利用ホームページ〔2015.11.30閲覧〕
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/spurious/keikasochi/index.htm
(平成34年11月30日までは、平成29年12月1日以降に有効期限を迎える無線局にあっても、再免許(再登録)により平成34年11月30日までは旧スプリアス規格の無線機器を使用することは可能です。)
●いま――総務省の現行版パンフレット(CQ誌も参照):

そのためには――免許期間は5年間なのですから――,2017(H29)~2022(H34)年において,かならず「再免許」をせざるをえませんよね.
■(2)説の例
●CQ誌12月号pp.136-137
平成29年11月30日までは従来どおり無線局免許の再免許手続き(更新)などができますが,それ以降は旧スプリアス規格の無線機が工事設計書内に残っていると再免許手続きがスムーズに行えいないことになります.
平成29年11月30日以降も旧スプリアス規格の無線機(送信機)で免許を受けたい(工事設計書内に記載された状態にしたい)場合,そのままでは(再)免許されないので,
平成29年11月30日より後に到来する再免許の時期までに,改修するなどして新スプリアス規格に合致させる変更申請(届)を行うか,測定により新スプリアス規格に合致することの確認(届)を行うことで解決できます.
●アルインコ――FAQ
http://www.alinco.co.jp/division/electron/faq.html#F20110815001
この期限より5年前から無線局の免許更新申請などにも受理終了などの措置が取られるようですからご注意ください。
●(一社)全国船舶無線工事協会
http://www.zkk.or.jp/news/2012/20120704kyu_spurious.pdf
総務省の公式説明では、「旧スプリアス無線設備を設置する無線局は、平成29 年12 月1 日以降、再免許を受けることができません。」としていますが、今後、本件についての総務省や全工協からの情報にご注意ください。
■戦闘開始
負けたくないんだけど,負けたらSRI.
筆者自身は総務省の資料で
2017(H29).12.1以降に到来した再免許の契機をもってして,
2022(H34).12.1まで待たずに,
その局には旧規格機は使わせなくしますよ
――といった記述を見かけたことは...ありません.
法令解釈・運用の問題だけでしたら,JARLはJAIAじゃないんだし,総務省に,「当然(1)だよねグイグイ」と押すことも必要でしょう.
流れがこれ以上(2)説に傾きかけたら,次回社員総会マターということで.
しかし.
「ギリギリまでの延命」が認められた場合の問題点は,
おそらく,移行期限直前での“処理の集中.”
ふたたび「無免許ハム〝公認〟シマス」なんてことにも,なりかねません.
■法令を地道に読み解く
H17省令119附則――のちのH19省令99での改正(10年間の延長)を織り込みずみ――をかいつまみますと,以下のようになります(関連法令は末尾):
(a) 2005(H17).11.30以前に免許されていた局は,2022(H34).11.30まで旧規格機を使っていいよ.
(b) 旧規格機でも,2017(H29).11.30以前は,
“免許等又は無線設備の工事設計の変更”ができるよ.
条件は(1)と同じだよ.
(これを受けるための無敵の呪文が,れいの,
「当該無線設備は平成19年11月30日までに製造された無線設備である。」――です.)
第三条 この省令の施行の際現に免許若しくは予備免許又は登録(以下「免許等」という。)を受けている無線局の無線設備の条件については、新規則の規定にかかわらず、平成三十四年十一月三十日までは、なお従前の例によることができる。
2 総務大臣は、この省令の施行の日から平成十九年十一月三十日(総務大臣が別に告示する条件に適合する場合については、平成二十九年十一月三十日)までの間に限り、新規則の規定にかかわらず、この省令による改正前の設備規則(以下「旧規則」という。)の条件に適合する無線設備を使用する無線局の免許等又は無線設備の工事設計の変更の許可をすることができる。この場合において、当該免許等又は許可を受けた無線局の無線設備の条件については、前項の規定を準用する。
さて,アマチュア局を含め,無線局の免許期間がデフォルト「5年」なのは,総務省さん,よくご存じでしょう.
ですから,「2005(H17)年時点に2022(H34)年の議論をしている」こと自体,前提として,「再免許で繋ぎ続けるんだったらOK」としている――と解釈できます/解釈しました.
もっとも表現が「...ことができる」ですから,
総務省に「やっぱ やんね」といわれたら...負けます.
●じつは開局日によって分けて議論すべき?――でも結果オーライ
また厳密には,以下の二つを分けて議論した方がよさそうです:
(ア) 2005(H17).11.30以前に免許されていたアマチュア局
(イ) 2005(H17).12.1以降に免許されたアマチュア局
しかし,「(イ)は(ア)を準用する」ですから,結果としては同じになります.
絵解きしますと,こんなかんじ:

ここで,以下のようにご理解下さい:
・黒枠四角 … 免許期間(5年間)
・ピンク … 旧規格機(話を簡単にするために,旧規格機だけで免許されている局を考えます)
また本稿では便宜上,短く,以下のように呼ぶことにします:
・「2017(H29).11.30まで」 の期限を 「P点」
・「2022(H34).11.30まで」 の期限を 「K点」
●P点(2017(H29).11.30)越えでできなくなること
まず逆説的に,「P点以前だったらできること」を振り返ります.
上述のとおり,
「旧規格機でも,P点以前は,“免許等又は無線設備の工事設計の変更”ができるよ」
となっています.
ここで「免許等」とは,
「免許若しくは予備免許又は登録」です〔H17省令119附則3条1項〕.
ただしアマチュア局の場合には「登録」はありませんから,
「免許」か「予備免許」ということになります.
ということで元に戻って,「P点越えで旧規格機でできなくなること」は,以下のとおりとなります:
・免許等 … 免許・予備免許 (「開設」ですね)
・無線設備の工事設計の変更 … 取替,増設,撤去,変更 〔『工事設計書』の様式から〕
ただ,「さすがに『撤去』だったら認められるであろう」との筆者推測を含めて図にまとめます:

ここで,以下のようにご理解下さい:
・黒枠四角 … 免許期間(5年間)
・ピンク … 第一送信機 の 旧規格機
・グリーン … 第二送信機 の 新規格機
繰り返しになりますが,最大の論点はおそらく旧規格機による“免許”で,
P点越えで禁止されるのが,
(1) 「新規」免許だけなのか … 筆者的解釈
(2) 「再」免許も該当するのか … CQ誌12月号pp.136-137的解釈
で,影響に差が出ます.
とくに(2)が正解なら,P点を越えた時点,あと2年後には影響が出始めます(CQ誌の言うとおり).
●「変更」が“落とし穴”っぽい
たとえば,
「デジタルモードで常用の第二送信機(新)が入院しちゃったから,
しかたない,第一送信機(旧)にPCつなご」
と思いたって手続きをしたとても...ときすでに遅し.
2017(H29).12.1以降,“凍結”されてしまっていますので,できません.
自衛策としては,
「旧規格機に対し,想定しうるすべての付加装置・付属装置を繋ぎ込む手続きを,
P点以前にしておく」
となります.
■よだん
●表現に気をつけましょう
こうでしょう:
・「以前」「以降」 → その日を含みます
・「まで」「から」 → その日を含みます
・「より前」「よりあと」 → その日を含みません
今回の議論での例:
× 2017(H29).11.30以降
○ 2017(H29).11.30よりあと
○ 2017(H29).12.1以降
●H34.12.1(最終期限)以降の使用禁止を,どう規定?
これは推測ですが,
たとえば,免許状に,
「第×送信機は平成34年11月30日までの使用に限る。」
のような条件を,申請者なり総通なりが,付記することになるのでしょう.
■以下関連法令
●H17省令119 の 附則――オリジナル=移行期間の延長前
附 則
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十七年十二月一日から施行する。ただし、第二十四条に次の一項を加える改正規定、第四十九条の九及び第四十九条の十四の改正規定並びに次条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 総務大臣は、この省令の施行前においても、この省令による改正後の設備規則(以下「新規則」という。)別表第三号の22ただし書の規定に基づく告示を定めることができる。この場合において、当該告示に定める無線設備については、新規則第七条及び別表第三号の22ただし書の規定の適用があるものとする。
第三条 この省令の施行の際現に免許若しくは予備免許又は登録(以下「免許等」という。)を受けている無線局の無線設備の条件については、新規則の規定にかかわらず、平成三十四年十一月三十日までは、なお従前の例によることができる。
2 総務大臣は、この省令の施行の日から平成十九年十一月三十日までの間に限り、新規則の規定にかかわらず、この省令による改正前の設備規則(以下「旧規則」という。)の条件に適合する無線設備を使用する無線局の免許等又は無線設備の工事設計の変更の許可をすることができる。この場合において、当該免許等又は許可を受けた無線局の無線設備の条件については、前項の規定を準用する。
3 この省令の施行の際現に開設されている宇宙局又は前項前段の規定により免許を受けた宇宙局の無線設備の条件については、新規則及び第一項又は前項後段の規定にかかわらず、当該宇宙局の宇宙物体への設置が継続する限り、なお従前の例によることができる。
4 第二項前段の規定により予備免許を受けた無線局については、平成十九年十二月一日以降においても免許を受けることができる。この場合において、当該無線局の無線設備の条件については、第一項(宇宙局にあっては、前項)の規定を準用する。
【後略】
●H19省令99――移行期間の10年間の延長
○ 総務省令 第九十九号
電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の規定に基づき、無線設備規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令を次のように定める。
平成十九年九月三日
総務大臣 増田 寛也
無線設備規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令
無線設備規則の一部を改正する省令(平成十七年総務省令第百十九号)の一部を次のように改正する。
附則第三条第二項中「平成十九年十一月三十日」の下に「(総務大臣が別に告示する条件に適合する場合については、平成二十九年十一月三十日)」を加える。
附則第四条第一項中「平成十九年十一月三十日」を「平成二十九年十一月三十日」に改める。
附 則
この省令は、公布の日から施行する。
●H19告示513
○ 総務省告示 第五百十三号
無線設備規則の一部を改正する省令(平成十七年総務省令第百十九号)附則第三条第二項の規定に基づき、平成二十九年十一月三十日までに限り、無線局の免許等若しくは予備免許又は無線設備の工事設計の変更の許可をすることができる条件を次のように定める。
平成十九年九月三日
総務大臣 増田 寛也
使用する無線設備が平成十九年十一月三十日(設備規則第四十八条に規定するレーダーにあっては、平成二十四年十一月三十日)以前に製造された無線設備であること。
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