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zoom RSS “特別局の運用場所の遵守について”

<<   作成日時 : 2015/12/06 00:52   >>

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#25 JARL理事会(11/28〜29)において,『特別局の運用場所の遵守について』という協議がありました.
さもあらなん という気もしますが,問題点を因数分解しますと,以下の二点に帰着します:
(1) 瞬間移動
(2) あまりにも遠くに移動運用

結論としては「常識の範囲でおこなう」ということで落ち着きました.
しかしいまや,理事・支部長・事務局の“常識”ほどアヤシイものもありません.

    理事が
    「記念局に登録したのと同じ機種のリグだったら,どのリグでも記念局として運用できる」
    と言ったりとか,

    支部長が
    「記念局を運用したい人は(ご自分の)リグを申し出て下さ〜い♪」
    と募ったりとか,

    事務局は
    それらを放置とか.

    いかに組織的末期状態にあるとしても,
    連盟の要職にある方や事務局が,会員の法令違反を助長してどうするのでしょう?

また往々にして, “法令上の決まりごと” と “常識” とは異なりますから,それらをごっちゃにして議論すると,発散しかねません.
この機会にクリアにしましょう.


瞬間移動


JARL理事会では

[東京]―2時間後→[九州]―翌日→[東京]

の例が示されていますが,これは

[武蔵野クラブAさん宅]―瞬時→[武蔵野クラブBさん宅]―瞬時→[武蔵野クラブCさん宅]

のたぐいの近隣同士の場合であっても同じです.距離は問いません.


■法令上は問題なし
いまは「免許状」の携帯は不要で,「証票」の備え付けだけで運用が許されます
(まさに“常識”としての問題はありえますが,法令上は「めちゃくちゃ離れての同時運用」すら可能です):


ただし!
・「その記念局としてきちんと免許されたリグ」
 ――後述の『設備共用』の条件をクリアした上で(←ここがアヤシイ)――を,
・「構成員」が使っている
限りは.


●設備共用
さほど難しくありません:
(1) 「その記念局として得た証票が貼られているリグ」しか使えない(あたりまえ)*
(2) 1台のリグには,1枚の証票しか貼れない
(3) 1台のリグに証票を複数枚貼ること,すなわち,1台のリグを複数局で共用することは,
  『設備共用』という扱いになる
(4) 『設備共用』ができるのは,「設・常置場所が同じ」場合のみ
(5) 『設備共用』は,社団局相互間では禁止

*: ゆめゆめ,「記念局に登録したのと同じ機種のリグだったら,どのリグでも記念局として運用できる」ではありません.


絵解きします:


『電波法関係審査基準』での原文は以下のとおりです:
無線設備の設備共用は、次によること。

(1)  設備共用は、次の各条件に適合するものであること。
ア  固定した局は、設置場所(移動する局にあっては常置場所)が同一であること。
イ  設備共用しようとする者は、当該設備共用を受ける免許人からの「承諾書」を提出すること。
ウ  設備共用する無線設備は、当該設備共用する者が操作できるものであること。

(2)  社団局同士の設備共用及び固定する局と移動する局の設備共用は認めない。

(3)  設備共用する場合には、無線局事項書及び工事設計書の「参考事項」欄に設備共用する無線局の免許人名、免許番号及び呼出符号を記載すること。

したがい,前出の
“悪しき理事”が言っていることは救いようのないオオウソですし,
“悪しき支部長”が取るべき改善策は,以下のとおりとなります:
× 「記念局を運用したい人は(ご自分の)リグを申し出て下さ〜い♪」
 「記念局を運用したい人は,自局の設備から“撤去”した上で,
   ご自分のリグを申し出て下さ〜い♪」
 記念局のリグを宅配便で受け渡しする.


○「記念局でありえなこと」の例
(1) 「相手が珍」などで,「オペレータの個人コール(+ポータブル)」に急に切り替わる
 →記念局に設備共用を許している,同一 設・常置場所の1局のみが,なせる技

(2) 「クラブのリグをJARLに登録する」
 →要 もとの社団局からの“撤去”
 →JARLの記念局はやめて,
  既存クラブのコールの一時的な変更で,non-JARLの記念局にする
  (要
   - QSL転送費 10,800円/年,)
   - 構成員の管理.)

(3) 記念局と一般社団局とのコールを切り替えつつ運用する
 →アンテナを繋ぎ替えない限りできない

これらのうち(2)を絵解きします:



○都市伝説: 「記念局ならそこの設備で個人コールで出てもいい」
http://jj1wtl.at.webry.info/201510/article_8.html#comment
 →orz
  あのさ,書き物で見せて.
  どこにそんな たわごと が書かれていたの?


●構成員
・JARLの記念局 の場合 
 - JARL会員
  「JARLの記念局の構成員」ですから,問題にはなりません.お好きなように.

 - JARL非会員
  ゲストオペになります.

  ・JARL会員の立ち会いが必要です.
  ・ゲストが一アマでも立ち会うJARL会員が四アマなら,四アマの操作範囲に限られます
   (以下のゲストオペの場合でも同様).
   (「四アマのゲスト」が「一アマのホスト」を訪ねても,四アマの操作範囲内に限られます.)

・JARL以外の記念局 の場合
 - 構成員
  お好きなように.

 - 構成員以外
  ゲストオペで可.

   ・構成員の立ち会いが必要です.
    「自宅に持ち帰って夜間運用」とかは不可になります.
    ...構成員に自宅まで付いてきてもらわない限り.

  構成員として追加しても可.

    ・「事後」でも可(「理事」でない限り).
    ・ただし,「定款」や「無線設備」のシバリから,構成員に加えられない場合あり:

○定款でひっかかる
例:
JARL以外の記念局『○市×周年記念局』開設!
既存の『○市役所ハムクラブ』JS9ZZZのコールを8J9ZZZに一時変更し実現!

...このとき,『○市役所ハムクラブ』の定款に
「構成員 正員 ○市役所の職員のうち、アマチュア局の無線設備の操作を行うことができる無線従事者の資格を有する者(施行規則第34条第8号に規定する者を含む。)」
などと書かれていたりすると,一般市民はアウトです.

→定款を変更する.
→ゲストオペに甘んじてもらう.

○無線設備でひっかかる
例:
50W機しか設備していない.

...四アマは追加不可.
→四アマ対応のリグを追加する.
 (ゲストオペ...は不可...ですね,この場合は.)


■“常識”の思考実験
筆者は,「局の管理上」「相手に与える混乱」の問題がありうると考えます.
このあたりが理事会で「常識の範囲でおこなう」と論じられている点なのでしょう.

(1) 局の管理
「いま誰が出てるの?」
「さぁ...」
――は,まずいですよね.

(2) 相手に与える混乱
あれ,QSYしたの?
あれ,移動地変わったの?
あれ,さっきスポットの周波数/QTH間違ってたの?
え?どっちかはパイレート?! (←こう捉えられるのが最悪)


あまりにも遠くに移動運用


「ある市の市制○周年記念局が,友好都市に出掛けていって運用する」とか
「運用団体のメンバが帰省先から運用する」とか
「沖縄でのレジャーに記念局を連れて行く」
のような場合です.


■法令上は問題なし
日本中,どこでも移動できます.
『陸上、海上及び上空』って免許状に書いてあります.


■“常識”の思考実験
むずかしいなぁ.JARLの裁きに期待しよう.
どうやって歯止めするのでしょう.
たとえば...
「自治体の催事に基づいて開設する特別局又は特別記念局は、当該自治体の属する地方本部内のみで運用すること。ただし当該自治体の友好都市又はアマチュア無線家を主対象とする行事の会場内若しくはその近辺においてはこの限りでない。」
とかで縛る?????

    「JARL以外の記念局」はまったく縛られません.


●筆者の想い
やるなら,お出かけ先ではVHF・UHFでも運用して,「V/Uしか免許を持っていない人」を救済してあげて欲しいです.

    記念局との初QSOは8J0ITUだっけかなー,
    当時は144/430MHzだけの免許だったから,
    記念局なんて縁がないと思ってたからなー,
    うれしかったなー.


社団局(記念局)の多地点同時運用 (ついでに)


■法令上は問題なし
禁止する規定はありません.


●ただし!相互の交信について
 × 「同じ局」の,「第1送信機」と「第2送信機」とがQSOする
  「別の局」の間でQSOする
    (例:「同じコール」でも,「固定局」と「移動局」とで局免が2枚に分かれている)
――です.


●JARLのコンテストのルール: 直径500mの円内
JARLによる,コンテストのルールとして,「直径500mの円内」というのがあります:
http://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/Contest.htm
マルチオペの運用地は一箇所とし、その範囲は直径500mの円内とします。
...あくまで,JARLのコンテストに参加する際のルールでしかありません.


■“常識”の思考実験
筆者は,「電波資源上」「相手に与える混乱」の問題があると考えています.

前者はたとえば,劇混みの7MHzで,同じコールの局が,はたして同時に複数波出る必要があるのか?
たとえ固定局・移動局で局免が2枚に分かれていても――です.
たとえSSBとCWとに散っても――です.


多地点同時運用については,違和感をお持ちになるOMもいらっしゃいます(コメント欄も含めてお読み下さい):

『2局の8N3HAM関ハム記念局』
http://blog.goo.ne.jp/jr3qhq/e/f61b7cff1e0faf5c20f6ae20affe2584


ポータブル表示 (ついでに)


■付ける/付けないバトル
「ポータブル表示をかたくなに付けない8エリアの記念局」
「有/無をどうしても確認したくて仕方のない交信相手」
のせめぎ合いは,聞いていて滑稽ですらあります.

    QSOをワッチしていると,付けない理由はどうも――
    ・法令上は不要だから
    ・移動しても所詮8エリア内の「/8」なので冗長
    ――ということのようです.

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1024692370
記念局は移動しても/(ポータブル)を付けなくても良いのですか?

JARLたんちょう釧路総会特別記念局が標茶町から出ていました。
8N8TKSだけで/8は付かないとオペレーターが言ってました。
電波利用ホームページでは札幌市東区が常置場所となっているようです。

/8を付けなくても良いと言う事はホームページのタイムラグがあると言う事でしょうか?
それとも、記念局では付けなくても良いのでしょうか?

http://www3.ezbbs.net/cgi/reply?id=jl1fxw-aki&dd=11&re=12278
8の電監見解では同一県内なので/8は入れなくても良い


■法令上は不要
免許状に,
・指定されている『識別信号』で,
・『陸上、海上及び上空』日本全国どこでも移動していい
――と書いてありますよね?

「ポータブルを付けなさい」なんて,『無線局運用規則』のどこにも書かれていませんよね?


●かつては義務化も,いまでは失効
かつて,昭和30年に通達(行政指導)が出されたことがあります.
しかし総務省に言わせると,いまでは失効しています:
http://www.motobayashi.net/callsign/untold/designator.html

混乱に輪を掛けているのは,以下のような御仁らです:
(1) 「失効」を知らずに,いまだに誤ってこの古い通達を引っぱり出して示すOM.
  (例: CQ誌2009年10月号DX Newsのコラム.)
(2) 「移動したらポータブル必須」と思いこんでいるOM
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1024692370
記念局であってもアマチュア局であることに違いはないので、移動してもポータブルを付けないで良いとは思えません。


■ではなんなのか?
いまでは “慣習に基づくJARLの推奨” という位置づけになっています:
http://www.jl3amk.org/ja/misc/memo.htm#_3

    じゃあ,8エリアの「JARLの」記念局が付けないのは,いいのかよ!
    という疑問は...忘れよう.


●コンテストによっては,ルールとして必須の場合あり
http://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/fd/fd_rule.htm
移動して運用している局は、コールサインの後に移動先のコールエリアを示す番号などを送出すること。



締め


これで3回目の掲載になる総括的絵解きです.
とかく記念局は目立ちますから,気をつけましょう.
とくに設備共用:


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内 容 ニックネーム/日時
記念局管理者様へのお願い
記念QSLカードを1way送付で頂き、誠に有難うございます。
私の所では同一局の移動運用のカード未受領が多数発生しております。
パイルアップのコール聞き違いSSB、取違いCWもあると思いますが、記念局はログの管理一本化の徹底をお願し致します。
また、お金の掛るQSLカードですが発行枚数限定では無く、ぜひとも全交信局に発行を宜しくお願い致します。
JH1RDU
2015/12/12 23:06

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